恥の多い生涯を送って久しいが、自分も大人になったな~…と感じる瞬間は、しばしば日常の何気ない一コマであらわれる。
小さい頃から通学路に住んでいるおばあちゃんに「あンた葉っぱ持って学校行ってた子ね!?」と驚かれた時(!?)、
学生の頃から通っているコンビニで「もうお酒買えるんだっけ」と驚かれた時、
ほしいスタンドが「パール・ジャム」や「ヘイ・ヤー」になった時、
漫画や映画などの創作物で泣ける場面が学生の頃よりも増えていた時(「カゼひくなよ」「次は…あの子たちに何を弾いてやろう…」「おれっていつもそうだ…いなくなってはじめてわかるんだ」「でかく、いい男になったじゃねえか…」「令呪をもって命じる。ライダーよ、必ずや最後までお前が勝ち抜け」「皆が遊ぶ声がする。行か…なきゃ…」等々、省略)、
「丸サ進行だね」に「Just The Two Of Us進行だよ」と返すのを我慢できるようになった時…
(「丸サ進行」も決して間違いではないが、順番としては丸サが圧倒的に「後」なので強烈な違和感がある)
昆布の佃煮を意外と美味しく食べられた時や、好きな画家が増えたり、指揮者の違いが判別できる様になったときも、大人になったな~…と思った。大人というのはどうやら「幅」であるらしい。
(そういえば昔と今では好きなキャラクターもガラッと変わった。自室に某不死鳥(海賊漫画)のフィギュアが4体くらいいる。
音楽でいえば、ここ最近はマイブームがジャズ期テクノ期を経て「クラシック」期に移行しつつあり、近年はそこに雅楽が加わった。1曲リピートでよく聞くのが『長慶子』こちらは平安時代中期に作曲された雅楽である。
なかなか手が伸びないジャンルかとは思うが、特筆すべきはその「速さ」で、作曲者は源博雅。
夢枕獏氏の『陰陽師』でワトソン役を務め、教科書に出ない源氏の中では比較的知名度が高め。
速さの割にたびたびオクターブの跳躍を要求してくるが、おそらく悪気はないのだろう。管弦の天才である彼は、難なく吹けるのだ。天才なので藤原ロバート実資によって日記に悪口を書かれたりしている。
爆速演奏クラシック部門ではやはり『熊蜂の飛行』『チャルダッシュ』(チャルダーシュ、チャールダッシュとも)が名を連ねるだろう。両曲ともしばしば「神々が人外のテクニックを披露する場所」にもなる。感謝のほかない。NHK交響楽団のコンマスが顔ほどの大きさのバイオリンで披露する『チャルダッシュ』は必見である。
更に最近は、中東のポップスの良さにも気づけた。MVをボリウッドで撮ることも多く、映像としても大変元気が出る。柱の男のテーマが好きな人はトルコやイランのポップスがおすすめ)
音楽以外についてもつらつらと書いたが字数が凄まじいことになったので、割愛。
雨にも負けるし風にも負ける。
雪にも夏の暑さにも負ける。
令和にもかかわらず天外魔境IIで変な孤島から出られなくなって大泣き。
そういう者になってしまったが、
自分の嫌さや欠点を認め、程よく妥協し、見て 聴いて、食べて、人を傷つけず 迷惑をかけず一生が終われば上出来だと思う。
可能であれば今すぐ松田優作氏の外見になりたいが、松田氏も「脚が長すぎて普通の役ができない」ことが悩みであったらしい。俄には信じ難いものの、隣の芝生は人それぞれに青いのだ。
たかだかブログでこの散らかり様なので、人生をまともに歩むのはもっと難しいだろう。
「無抵抗は罪なりや」と生きづらさを儚んで見せながら、しゃあしゃあと120歳まで生きて「嘘太宰」の名をほしいままにしたい。今は人生の2時間目だろうか。言葉を交わしてくれる人のすべてを尊敬し 観察し、少しでも普通の大人になりたいものである。