想ふこと春夕焼けより美しく

段々と日が長くなってきたので 散歩に出かける機会が増えました

私が暮らしているのは霧島市のはずれ
弊社がある鹿児島市から北にちょっと行ったところです
家から少し歩いて山を登れば ご覧の通りうっすら桜島も見えます
同僚からは「辺境」
入社した頃から面倒を見てきた弟子には「あの辺 民家ありましたっけ?」と暴言を吐かれるこの地で
私はのびのびと育ててもらいました

取材でご家族の方にお話を伺っていると
「最後まで家で過ごせて幸せだったと思う」という言葉を聞くことがあります
一方で「晩年は施設暮らしだったけど 家族やスタッフさんに看取ってもらえたからよかった」
そう仰る方もいます

そのたびに『私だったら どっちを選ぶだろう?』と考えるのですが
未だに答えは出ません

昔はそれなりに賑やかだったうちの集落も 次第に人が減って持ち主のいない家が増え
先月も80半ばをこえたおばあちゃんが
「ひとり暮らしは心配だから」と街中に住む息子さん家族のもとへ移りました

かと思えば家の斜め上に住んでいる御年100歳のおばあちゃんは
今でも元気にひとり暮らしを続けています
「娘さんたち心配してるんじゃない?」と聞いたら
「あん子らは口うるさいから ひとりがちょうどいい」なんてお茶目に笑っていたほどです

住み慣れた土地を離れるか 残るか…
難しいですが たぶんきっと どちらも幸せなんでしょう
そしてそれを幸せだと感じられるかどうかは 結局自分次第なんですかね

通勤には時間がかかりますし 冬は寒いし
大雨や台風の日には避難命令が出るのがお決まり
最寄りのコンビニは3~4㎞先な挙げ句に 今月から24時間営業をやめるなど
考えたら確かに不便なことのほうが多いです
でも昔 近所のおじいちゃんが
「なーんもないけど それがよかとこじゃっでなあ」と言っていました

春は梅や桜の木に集まるメジロを眺め
初夏には梅仕事をして 鮎を釣ったりうなぎを捕まえたり
夏はとうもろこし狩り 秋は稲刈り
そして冬には干し柿や寒干し大根作りをする
その辺の同年代の都会っ子には出来ない経験を小さい頃からたくさんさせてもらいました
私も 星が綺麗に見えて 湯けむりのぼる静かなこの場所が大好きです

少しずつ消えゆく集落なので
私もいつかは この地を離れる日がくるかもしれませんが
その時は少し寂しくも悔いは無く
清々しい気持ちで旅立てるようにしたいなぁと思います

皆さんもぜひ霧島に遊びにきてくださいね
移住もお待ちしております!

OP S元