SUPER G

お疲れ様です。吉田です。

皆様の夏の思い出、心があたたかくなるブログを読みながら、「それでは僕も」と。

 

出会ってしまったのです。

彼女は突然、僕の前に現れました。(正確に言うと背後)

一瞬で心を奪われました。(世界の平和を願いました)

眠れなくなるくらい、彼女に夢中でした。(いやほんとに、まじで)

ずっと彼女のことを見ていたい。一瞬足りとも目を離すもんか。(そういう動きするの、聞いてない)

ちっぽけで無力な ただの男がそこにはいました。(ちなみに全裸)

何もしてあげられない自分。でも彼女はどっしり構えて 僕のことを見捨てませんでした。(助けてくれ)

 

そうです。もうお分かりですね。Gです。

4年間住んでいるマンションで、初めてお目見え。

なんなら5年以上見たことないかもしれません。

俺の後頭部には眼球があるのか、と疑いました。

出会いはいつも、突然です。

 

もうとりあえずGなんです。

時刻は午前0時。

特大。見たことない。すんごい大きい。タバコの箱くらいある。黒い。おはぎみたい。おはぎくらいは絶対ある。美味しそう。

光ってる。偉そう。友達になれなさそう。絶対に今すぐに光の速度で木っ端微塵にしたい。

そして自分はというと全裸。普通に。

身を守るものが何もないのでとりあえず暑いけど長袖パーカーを装着、フードを被る。スリッパを履き、マスクを装着。タオルを腰に巻き付けロングスカートのようにして迎え撃つ。

うちにそれ専用のグッズはないが、今から薬局に走ろうものなら、彼女は行方をくらますだろう。

そうなったら最後。

平穏な俺のNight Timeは一生訪れることはない。一生だ。

化粧水とか顔につけてる場合じゃなかった。運動した日は浸透率いいなア〜、じゃなかった。

そんなものを薬局で買ってくる暇があったら本当に自分に必要なものを準備しておけ、この自意識過剰の顔面テカテカ男が、パーカー着てるせいで汗で全部落ちてるぞ

と言いたかった。

とにかくぐっすり眠りたい。明日も仕事だ。そうするには、悲しいことだけれど、彼女を始末する必要がありました。

一進一退の攻防が続き、ここでは書けないような、一人暮らしの家にある、様々なもので彼女を追い詰めていく。(腰のタオルをとにかく華麗にひらひらさせながら)

 

最終局面。

舞った。舞いやがった。結構な飛距離あった。すんごい音がした。バタバタバタバタ〜って

あー これ 俺無理かも と一瞬で把握。

断末魔の叫びが小さな部屋に鳴り響く(32歳 独身 男性会社員)

すぐに片手に持ったスマホで業者を検索。

自分と同じ状況に陥った者たちの悲鳴のような言葉達が羅列している。(知恵袋)

うわぁ業者も結構高いな・・ こんないい年した男が夜中に業者を呼ぶのも恥ずかしい…と考えている間に

舞ってる。あぁ、また舞ってる。LDHもびっくり。三浦大知も。BOAとかも。

結構、身体自体は細身なんだ。無理。本当に。なんでそういうことするのかな。ここ俺んちなんだけど。無許可で侵入して、おまけに舞うなんて

そうこうしてる間に見失い、ベットやソファを全部ひっくり返して探す羽目に。腰のタオルも汗でべちゃべちゃ。

どこにもいない。え、もしかして出ていった?バイチャした?

勝手に俺の心に土足で入り込んできて勝手にいなくなるなんて そりゃあないよ 男泣かせだねえ。。。トホホ めでたしめでたし (完)

あ、いた、ものすごい至近距離にいた

今までで一番近いところにいた

無理

俺こんな声出るんだ

腰のタオル落ちた

ひらひら落ちていった

気づかなかったけど 自分 すごい内股で爪先立ちしてた

下半身、とにかく全員怯えてた

 

そこから先はここでは言えません。

とにかく彼女は、僕の前から姿を消しました。

他人から見たら鬼のような形相だったと思います。

ありがとう。楽しい日々だったよ。(共に過ごした3時間)

下の階の人、ごめんなさい。

 

夏の思い出。

皆様それぞれあると思います。

調べてみて僕が一番衝撃的だったのは、

「彼女達」は、「彼女達」だけで、命を繋いでいくということ。しかも爆発的に。

「彼」は不要だそうです。なんということでしょうか。

 

命は尊く、想像を軽々と超えるレベルの不思議に満ち溢れていて、時に牙を剥き、人間を恐怖に陥れる。

それを再確認し、不動産屋へ駆け込み 即決。

それが僕の 夏の思い出。