やさしいあくま

やさしいあくま

学生の頃 図書貸出カードを増やすのがステータスといっても過言ではないほど、ジャンル問わず読書に親しんでいました。

そんな中で出会った一冊の絵本。

それはアーティスト『19』のメンバー兼ジャケットデザインを担当したり作詞家でもあった、イラストレーターの326(なかむら みつる)さんの『やさしいあくま』です。

19が好きだったのと絵も可愛かったため何気なく手に取ったのですが、読み進めるうち涙が溢れてくる心に響くストーリーに一気に引き込まれました。

折に触れて読み返したくなるほど、自分の中でお気に入りとなったのですが残念ながら大分前に廃版となり、半ば諦めていました。

それでもふと思い出す度にインターネットで探す日々。

「また今回も空振りかな…」と諦めかけたその時、比較的状態の良い探し求めていた本に巡り合ったのです!!

あの時の嬉しさは自分でも驚くほどテンション爆上がりでした。

 

ようやく手元に絵本が届き、期待半分・達観半分でページをめくりました。

なにせ何年も前に読んだものなので、どこか美化されているかもしれないという不安があったので。

しかし、そんな杞憂は不要でした。

あの時と変わらず、むしろより一層?感情移入して涙ポロポロ 涙腺崩壊。

絵本といえど、侮るなかれ。すごく考えさせられる一冊です。

 

人の身勝手さや心の弱さ、立場による価値観の違いの一方で相手を思う優しさだったり人の温かさだったり…恐らく読み手によって受け止め方も違う作品だと思います。

ただ、私にとっては己の言動を改めて考えさせられる大事な本。

 

誰しもが誰かにとっての大事な人であり、悪人に見えても誰かにとっては善人だったり、言葉の裏に実は周りが気付かない隠された本心があったり…。

全員に好かれようとしなくていい。自分にとって大事なものを守るという心を持ち続けさえすれば、きっとその想いは相手に伝わるのでしょう。

今日響かなかった言葉も、もしかしたら明日あるいは未来で心を支える軸となるかもしれない。

たまたますれ違った人が、もしかしたら一生をかけるほどの愛する人になるかもしれない。

周りに対してもっと興味を持ち、何気ない日常の一つ一つを大事にして豊かな人生に繋げていけるよう努力し続けようと思います。

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