「折る」は「祈る」にも通じるそうです

取材中に聞く故人様の得意なことは実に様々。和裁、洋裁、日曜大工、野菜作りに機械の修理…

さしあたって特技の思いつかない私は、履歴書などのその欄には「小さい鶴を折ること」と書いています。小学生の頃から大学生になっても、授業中 ずっと鶴を折り続けてきました。配られたプリントはノートに貼るには大きかったので、少しはじを切ります。その残った紙を正方形に整えて鶴を折るのです。だから自然と鶴も小さくなります。どれだけ小さい鶴を折れるかが腕の見せどころ。私はあくなき挑戦者となってどんどん小さい鶴を折ります。授業なんて聞いているような、聞いていないような…でも顔は真剣でしたから、先生からは真面目に受けているように見えたでしょう。

そして時は流れて、社会人になってからもアメやキャラメルを食べるたび鶴を折っていたような気がします。ある日とうとう、千羽鶴を折ろうと決心するのです。大きさは2センチ四方(厳密には1.8センチ四方)。1センチだと小さすぎて断念しそうだったので、それよりは少し大きめ。そんな小さい折り紙は売っていないので、カッターで切りつつ折りすすめて。途中でくじけそうに…なんてドラマもなく千羽、折れるものですね(私が折っているのを面白がって、何羽かは他の方が折ってくれたものもあるのですが…)。

最近は忙しくてめっきり折らなくなりましたが、「折り鶴代行業」なんてものをはじめようと真剣に考えたこともありました。今も依頼をいただけるのならば、いつでもはじめます!でも誰かのために「祈り」をこめて「折る」のが千羽鶴なので、自分で折らないと意味がないですね…。

小さきものを愛する OP A でした