みなさんは聖地巡礼をしたことがあるでしょうか?
本来「聖地巡礼」は宗教における聖地…キリスト教ならエルサレム、イスラム教ならメッカなどに教徒が訪れることを指しますが、現代日本において聖地巡礼とはもっぱらマンガやアニメ、映画などの舞台となった場所をめぐることをいいます。
かく言うわたしは旅行好きかつ、映画好き・漫画好き・小説好きと多趣味ですのでありとあらゆる聖地巡礼を経験しています。
先日の9月の3連休は両親と共に神戸へ村上春樹の聖地巡礼に行ってまいりました。
両親とわたしは非常に趣味嗜好が似ている3人なのですが、村上春樹作品は特に刷り込まれて好きになったわけではなく、私が高校生のころ実家の本棚から勝手に村上春樹の処女作『風の歌を聞け』を読んだことがキッカケでした。
日本人作家なのに文章の淡白さがどこか外国小説のような空気感で、『風の歌を聞け』の舞台である神戸はどんなところなんだろう…と高校生の時に思ったことを覚えています。
そして10年前の大学時に『風の歌を聞け』に出てくる「猿の檻の公園」、芦屋の打出公園に行きました。小説の中の公園に急に猿が出てくるのでどういうことなのだろう?と思っていたのですが本当に猿がいる檻が公園の中にありました。(当時訪れたときにはもう猿はおらず小説の紹介と過去猿がいたという立て看板が残るのみでした)これは実際行ってみないとピンとこないなと思ったものです。
帰ってから話を聞くと母は自身が20歳ごろに私と同じように猿の檻の公園に行ったことがあるとのことでした。
そうして村上春樹好きの家族2人は猿の檻の公園がどんなところなのか知った状態で、父は初の神戸聖地巡礼でした。
結果「猿の檻の公園」はもう「猿の檻」を撤去して工事中となっていました。
芦屋市、公園のサルのオリを撤去へ 村上春樹さんデビュー作にも登場
今年の2月から撤去作業に入り、新しい公園にはオリのフェンスの一部を再利用してモニュメントを制作するとのことでした。
父に「仕方ないね〜」と母と私で声をかけ、続編の『1973年のピンボール』に出てくる西宮今津灯台に向かうと…
なんと移動による解体工事中。2箇所連続で村上春樹の聖地がなくなっているという事態に。
これには流石に家族3人ともびっくりしてしまいました。びっくりと同時に少し物悲しさも感じ…
結論、【聖地巡礼は思い立ったが吉】!
「推しは推せる時に推せ」という名言が存在することと同じように聖地巡礼もアツイ時に見ておかないといつまでもあるわけではないんだなと実感した神戸旅行でした。