じいじの花

「最近ね、庭に黄色の花が咲いたのよ」
昨年8月に祖父が亡くなって49日を済ませた頃、祖母がそう呟きました。

「ずっと前からうちにあって、どんな花が咲くのかなー、いつ咲くのかなーって思って見てたの。
でも何かが咲く様子もなくて、背だけが高くなっていくから切ろうかなって思ったら、お父さんが止めたのよ」

「それから一生懸命水やりをしてたもんだから、私も切るに切れなくてそのままにしてたら、
それが今年、はじめて花を咲かせたの」

「あれはお父さんの花ね」

普段から何かを関連づけて、「縁ね」と話すことの多い祖母。
いつもの話だと思いながら耳を傾け、なんとなく「なんて名前の花?」と聞いて返ってきた答えは「コバンナントカ」。

少ないヒントを頼りに検索エンジンは、「コバノセンナ」という花を表示しました。
その花言葉は
『輝かしい未来』『感謝』

その文字が目に入った瞬間、喉の奥がきゅっと締まって、それから視界が揺れ始めました。
あの日から、1ヶ月、2ヶ月経とうと祖父がいない事実を受けとめた時の痛みは変わらなくて、
祖父のいないこれからを考えるとしんどくなる時もありました。そんな私たちに『輝かしい未来』が待っていることを、
祖父が願っているのかもしれない、そう考えずにはいられませんでした。
そしてきっと、『感謝』は祖母へ宛てた花言葉。
最後のプレゼントをもらった祖母は、噛み締めるように何度も花言葉を口にしていました。

ちなみに、コバノセンナは私の誕生花(10/19)でした
これも縁ねぇ by祖母