「花粉症」とタイトルにありますが、幸いにも私は花粉症ではなく
30年来の友人Yがつらい症状に悩まされているのです。このYと
月に一回ランチをするのが恒例で、結構な年数続いています。大概 Yから
お誘いの声がかかり、私がウキウキと返事をし互いのお休みが合う日に
楽しい時間を過ごしています。
1月くらいから「もうすぐ花粉の季節がやってくる」と憂鬱なY。
2月に会ったときには花粉対策のメガネをかけ、すでにつらそうでした。
そんなYを心から愛しているご主人が、妻のためにいつか…
出来れば数年の内に花粉症のない楽園・沖縄に移住しようという計画を立て、
夫婦で下見の旅にも足を運びました。
その「いつか」が今年に入り急に現実味を帯びたのです。全国どこでも働けて職に困らない
資格を持つご主人は、沖縄での勤め先も見つけ、現在住んでいるマイホームも査定。
何ならご主人だけでも3月には引っ越して新しいスタートを切る…と、話がとんとん拍子に
進んでいきます。発端は妻の花粉症だったのですが、いつしかご主人の方が強く新天地での
暮らしを希望するようになりました。Yも、親のこととか正直 迷いもあるけれど
自分のためではなく「旦那さんが望んでいるから」移住しても良いという考え。互いを思い合う
愛情は深くてうらやましいかぎりです。そしていよいよ自分達の今後についてまだ話を
していなかった双方の両親に打ち明けました。反対はされなくても心から笑顔で送り出す…
とは、なかなかいかないもので、その様子にYの心が揺れても仕方ありません。
3人きょうだいの長女で弟と妹は県外で家庭をもっています。その分しっかり者のYが
ご両親にとっては頼りです。たった一度の人生をご主人に悔いなく生きてほしいけれど
親をのこして行くのは心配(まだお元気に現役で働いていらっしゃいますが)…
「夫婦で沖縄に行く」と決めていてもきっぱりと思い切れない感情が表情ににじんで
いたのでしょう。それを見てご主人は、移住はするつもりだけど「今じゃない」とYに黙って
入社予定だった会社に断りの電話を入れ今回は見送ることにしました。
人生の折り返し地点を過ぎた私達が大きな決断をするとき、個人の意思だけではどうにもならない
ことがあります。端から見ているだけですが大切な友人やそのご家族の気持ちがわかるだけに
思うところもあります。そして、いざY夫婦が沖縄に行ってしまうと私だってとても寂しいです。
美人でおしゃれな友人に会うため、いつもよりは時間をかけて身支度を整えて毎回出かけます。
そして美味しいものを食べながらおしゃべりして、腹ごなしに街をぶらぶらした後はカフェで
ゆっくりお茶を飲みつつまた話をして… 心の癒やしとなっているYとの約束がなくなると、
一気に老け込む気がします。
今回は、鹿児島にのこることになりましたが、「移住」は今のところ決定事項で、Y夫婦は4月にも
また下見の旅に行きます。まぁ、そうなったらそうなったで、私も沖縄に遊びに行こうかな。
沖縄にはYちゃんよりもさらに長い付き合いの友人がおり、今も連絡を取り合っています。
Yとこの友人に面識はありませんが、ふたりの友と会い沖縄を満喫する旅はわるくありません。
花粉症がこの世から絶滅して、毎年 春がきてもYがこの鹿児島で笑って過ごしてくれるのが
一番なのですが…
色々あっても、人はどうにか希望を見つけて明日を生きていくもの。(大げさ)
何とかなるさと思い悩まず、今月ももうすでに決定している日にYと会い、おしゃべりに
花を咲かせなきゃ!です。
私だっていつ発症するかわからない花粉症、お悩みの皆様の症状が少しでも軽く、
早くおさまることを心から願いつつ筆を置きます。お目汚し失礼いたしました。
OP H