鼻と口で別々に息ができないとシュノーケルは役に立たない

鼻と口で別々に息ができないとシュノーケルは役に立たない

あじろ浜に海水浴に行った。

鹿児島には有名な海水浴場がいくつもあるがここは穴場中の穴場だ。漁船に乗り沖合から浜へおりる。

引き波に砂が流されて、足のまわりが凹むくすぐったい感覚を20年ぶりに味わった。

ゴーグルにシュノーケルをつけて海へ。

とはいえ、私はカナヅチだ。浮き輪をぎゅっと脇に挟んで、こわごわ海水に顔をつっこむ。

思わず息を呑んだ。

目に飛び込んできた数百とも数千ともつかない鮮やかなブルーの魚群。数センチの熱帯魚たちが視野いっぱいに広がる。

うっとり見とれながら、そっと呼吸してみた。

でも…苦しい。痛い。

なんで?なんで?

息ができない。

シュノーケルしてるのに。

(だ、だめだ!)

ガバッと水から顔をあげて私は叫んだ。

海水を吸いこんでしまった鼻がツンとして痛い。

痛すぎる。

そこで、ある人が教えてくれた。

「シュノーケルで息をする時は鼻と口は別々に吸わんね」

鼻を空気で満たして空気の壁を作る感じ。そして口からはいつも通りの呼吸を…。

ダメである。何度試しても、ダメである。

そしてますます鼻が痛い、痛すぎる。

ふと、魚群を見て息を呑んだあの瞬間を思い出した。

「そうだ、息をしなければいいんだ」

全ては解決し、魚たちが織りなす小風景を心ゆくまで堪能することができた。

鼻と口で別々に息ができないとシュノーケルは役に立たない。

素敵な夏のしょっぱい教訓。

 

追記:鼻口連動タイプの方にはゴーグルより水中メガネをお勧めします。

あじろ浜では良い写真が撮れなかったので八瀬尾の滝のベストショットを。神さまの気配を感じる麗しい場所でした。

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